夏の登山といえば、一部の山ですがヤマビル姿を想像してしまいます。
あの気持ち悪い見た目や動き、 吸血の被害を想像すると、どうしてもヤマビルがいる山に登るのを避けてしまいます。
ただ、梅雨前や夏が終わって涼しくなってきた時などの微妙な時期に、山に行っていいものなのか悩んでしまいます。
ここでは、ヤマビルが活動しててもできるだけ吸血被害にあわないような対策や噛まれた後の処置を紹介します。
ヤマビルに噛まれない対策
服装・行動での対策
- 生地の目が細かい長い靴下をはく
- 靴下をズボンの裾に入れる
- シャツの裾はズボンに入れる
- 靴や衣服に忌避剤をつける
- 雨の日や雨上がりの日に山に行かない
- 獣道のような細い道を避け、整備された登山道を歩く
- ヒルが足元などについていないか、ひんぱんに確認する
- 休憩場所は日当たりがよく地面が乾燥している場所を選び、ヒルがいないか確認する
- ヒルがいるような場所では立ち止まらず、早く歩く
- 地面に置いた荷物を持ち上げるときに、ヒルがついていないか確認する
忌避剤を使用する
忌避剤を使用することにより、ヤマビルが靴や衣服に取り付かないようにして吸血被害にあわないようにします。
※使用上の注意をよく読んでお使いください
ヒル下がりのジョニー
- 化学薬品を使用せず、自然界で生分解される原材料で製造
- 粘着力があり、長時間効果が持続
- ディート不使用
ヤマビルファイター
- ディートをマイクロカプセル化したヤマビル用忌避剤
- 雨、水にぬれても流されず忌避効果を持続
- 忌避効果は約2~3週間持続
- クロアリ、毛虫、飛んでくる虫などの虫除け効果もあり
ヒルノックWスプレー
- 忌避効果のみでなく、直接ヤマビルにスプレーすれば致死効果も発揮
- 臭いが少ない
もしヤマビルに噛まれたら
- ヤマビルをすぐに取り除くこと
塩や消毒用アルコール、防虫スプレーをかけたり、火を近づける - 傷口からヒルジンをしぼり出す
ヤマビルに噛まれたときに、血液凝固を妨害するための分泌物「ヒルジン」が出される
傷口から血を押し出すようにして、血と一緒にヒルジンを出す
傷口を流水でよく洗う
ポイズンリムーバーがあれば便利
- 抗ヒスタミン剤(虫さされ用軟膏など)を塗布
絆創膏で傷口をふさぐ
絆創膏は2~3時間ごとに貼りかえるとよい
※傷口が悪化するので、消毒用アンモニアは使わない(キンカンなど) - ヒルは吸血すると産卵しさらに増幅するので、確実に殺す
踏みつけただけでは死なないので、塩をかけるか火で焼くなどする
ヤマビルの生態
活動時期
主に4~11月ごろ。 ヤマビルの生息に適した条件になる 気温と湿度が高い6月~9月ごろに活動が活発になります。 気温20度以上の雨や雨上がが特に活発になります。
冬期は落ち葉や石の下に潜んでいます。
分布
本州から沖縄まで全国に広く散在。
最近では里山に隣接している住宅地にまでヒルがくっついた鹿が下りてきたりしているので、山のみではなく住宅地でも吸血被害が出ています。
吸血被害にあうまで
動物が吐き出す息に含まれる炭酸ガスや体温に反応し、シャクトリムシのように体を伸縮させて静かに移動し、動物にくっつきます。
衣服の中に入り込んだり、薄手の靴下の上からでも吸血することがあります。
前吸盤にY字型のアゴがあり、それぞれ70個ほどの小さな歯が並んでおり、この歯を使って皮膚を傷つけ吸血します。 このとき歯と歯の間から痛みを感じさせない「ヒルジン」を出すので、吸血されても気づきません。
「ヒルジン」には血が固まるのを防ぐ働きもあり、吸血後しばらくの間は出血が止まらないので、靴下などの衣類が血で赤く染まってから吸血に気づくことが多いです。
まとめ
ヤマビルがいる山に行くときは、湿った場所などヤマビルがいそうな場所をできるだけ避け、やむを得ない場合は、足元を確認しながら早く歩いてその場を立ち去るようにします。
一人よりは複数人で登ったほうがお互いの背後などを確認できので発見が早くなります。
(後続の人は吸血被害にあう可能性が増えますが・・・)
忌避剤を使用してヤマビルが靴や衣服につかないようにし、もし衣服に取り付いたとしても服の中に入り込まないように対策をしっかりとります。
万が一の備えとして、防虫スプレー、絆創膏を携帯しておきたいものです。
近年、鹿の増加などによりヤマビルの生息地が広くなり、吸血被害にあう機会が増えてきています。
しかし、どの山にもヤマビルがいるわけではないので、事前に情報を集め、ヤマビルの生態を知り、被害を最小限に食い止めることが大切です。
コメント